8月2018

志楽の湯 夏まつりイベント8/10(金)のご紹介♪

2018年8月7日 お知らせ

いよいよ、今週末は「志楽の湯 夏まつり」が開催されます。

志楽の湯に入館されたお客様には楽しいイベントにご参加いただけます。

8/10(金)に行われますイベントをちょっとご紹介させて頂きます。

 

◎11:00~12:00(1回目)参加費:無料

14:00~15:00(2回目)参加費:無料

げん氣太極拳

初心者の方、お子様も安心して参加できます。

氣のめぐりを良くして免疫力アップし、夏の疲れを吹き飛ばしましょう♪

 

◎12:30~13:30 参加費:1000円・700円(材料費込み)

オリジナル勾玉ストラップ・ペンダント

お好きな勾玉を選んでご自分で作れます♪

 

◎16:00~17:00 参加費:無料

セルフ整膚

志楽の湯 げん氣処で大人気の整膚。

整膚(せいふ)」とは、皮膚をひっぱることで気、血液、リンパの流れが改善される、健康と美とげん氣に効果的な方法です。身体に負担をかけないので、お子様から妊婦さん、ご高齢の方も安心して受けることができます。

この機会に是非お試し下さい!

 

※各イベントのお申込みはTEL.044-533-8888まで

※別途入館料が必要となります。

皆様のお越しをお待ちしております!!

 

“神奈川に縄文時代があったんだ”

2018年8月7日 ニューズレター
志楽ニューズレター第二十二号

“神奈川に縄文時代があったんだ”

テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」で、志楽の湯を紹介

 

「猫のひたいほどワイド」は、毎週月曜日から木曜日までの12時~13時30分に放送されており、番組に寄せられた神奈川の情報を若手俳優人がリポートする、地産地消番組です。

今回は、2月6日が「風呂の日」にちなんで、神奈川県内のおススメ温泉の一つとして志楽の湯が紹介されました。若手俳優の村田恒(ひさし)さんが、和の原点、縄文の心を形にした館内の様子を体験レポートされました。

 

◆縄文時代を感じさせる温泉に出会う

―皆さんは、遥(はる)か昔の時代を感じさせる温泉に行ったことってありますか。それも、縄文時代。川崎に、それを感じさせる場所があるんです。

やってきたのは、川崎市矢向という場所です(住所は川崎市幸区塚越。「矢向」は横浜市鶴見区になる)。こちらにうわさの縄文天然温泉というのがあるそうですけれど、縄文、ちょっと気になりますよね。さっそく調査したいと思います。

ここですね、屋根が見えてきました。「志楽の湯」という標識があります。歴史あるような感じがします。

縄文天然温泉志楽の湯は、JR南武線矢向駅から徒歩6分ほど。駅からそう遠くないのに、自然に囲まれた落ち着いた雰囲気の温泉です。

まずは、代表の栁平彬(さかん)さんにお話をお伺いしたいと思います。縄文天然温泉とは、具体的にどういったものなんですか?

栁平:「日本人というのは、お風呂が好きでしょ。世界中でもこれほどお風呂が好きな国民はいません。 これは、縄文時代からの習慣なんです。」

―ここで使っている温泉というのは、縄文時代からあった温泉といいますか、そういうものを使用されているんですか。

栁平:「温泉には2種類あって、火山性の温泉と非火山性の温泉というのがあります。火山性の温泉というのは、地表に降った雨や雪の一部が地中に浸み込んで地下水となったものがマグマ溜まりの熱で温められ、地表に湧き出してきたものです。非火山性の温泉というのは、今から何十万年も前、地下千メートル以上のところからくみ出している温泉なんです。」

―なるほど、縄文時代より昔の温泉を掘り出して、使用されているんですね。

栁平:「だから、縄文時代を通ってきたわけですね。縄文時代の人たちも温泉、露天風呂につかってきたわけで、そういう温泉に、現代人の私たちが今、入れるようにしたわけです。」

―それは、昔から入っていた人たちの歴史を感じさせますね。

栁平:「私たちのDNA、遺伝子にはそういうところがあるんです。だから、日本人は温泉が好きなんです。」

―ということで、縄文時代にレッツゴー!

 

◆太古の化石海水を満喫する

―趣(おもむき)のある廊下を進むと、途中、縄文土器が飾られています。

さっそく中に入りました。まず、紹介したいのが「縄文道」というところ。縄文模様を使用して足つぼを刺激する道があるのです。それが、こちら。縄文の縄の形が足の裏にフィットして敏感に刺激します。健康な人にとっては、足裏の指圧のような効果があるそうです。縄文時代を思い出すみたいな感覚です。縄文道を抜けると、最初に見えてくるのが、味噌樽風呂。これ、120年前に造られ、実際の味噌作りに使用されていた樽を譲ってもらったとのことです。

これはとっても気持ちいいですね。極楽です。木の香りがすごくいい。香りもお湯の温度も丁度いいので、心から癒されます。なんか、味噌になった気分です。

さて、次は、お待ち兼ねの露天風呂です。

これはいいわ。露天風呂のよさって、外でこの温かいお湯につかることですよね。気持ちいいわ。肌にもいい。入っただけでわかります。美肌にいいはずですよ。つるつるします。

こちらの温泉、栁平さんも言ってましたが、化石海水と言いまして、太古の海水なんです。岩のミネラル、海藻、草木の繊維などが溶け込んだ成分の濃い温泉なので、皮膚の新陳代謝をよくしてくれて、疲労回復、さらには肌がすべすべになる効果も期待できます。

また、高張性泉ですので、温泉の成分が体内に入り込みやすく、体内のミネラルなどの成分が 濃縮されるとともに、体内から汗などの水分が出ていきます。老廃物や毒素なども排出され、自然のデトックス 効果が期待できるんです。

 

◆都会の中で自然と歴史を味わえる

―露天風呂の中に、古風な建物、東(あずま)屋があったり、まわりの風景が本当に歴史を感じさせる自然な感じなので、それを神奈川の川崎で味わえるというのは、とっても貴重なことだと思います。ぜひ皆さんに来てほしいですね。ここに来て、原始に戻ってほしい。縄文時代の人たちも入っていた、それを時を経て、現代、僕達が入れる、というのはなかなかないでしょう。

ところどころ、木があります。わざわざ九州から運んできたりとか、本当にこだわりぬいた温泉です。歴史をちゃんと演出していて、縄文時代を感じさせる温泉だと思います。

都会の中にあって、駅から近いのに、こんなに自然な空間を味わえ、さらに歴史を感じさせる温泉て、なかなかないですよね。

まとめの言葉、「川崎に、肌がきれいになって、縄文時代を感じられる温泉があった」。

 

 

志楽ニューズレター 第二十二号 2017年2月15日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

 

美と健康の新たな施術「整膚」が志楽の湯に登場!

2018年8月7日 ニューズレター
志楽ニューズレター第二十一号

美と健康の新たな施術「整膚」が志楽の湯に登場!

新感覚の肌つまみ健康法で、病気の予防にも効果

 

このほど、志楽の湯整体・リラクゼーション室“縄文げんき処”に新たな施術が加わることになりました。「整(せい)膚(ふ)」といって、皮膚を耕すように引っ張ることにより「健康と美と活力」がもたらされることに注目した中国の徐(じょ)堅(けん)氏によって考案された施術で、生まれたての赤ちゃんからご高齢の方々まで受けていただくことのできる、体に優しい施術です。皮膚を優しくつまんで軽く引っ張ることで、皮膚にソフトな刺激を与え、体内の血液の流れがよくなり、体の緊張がほぐされ、リラクゼーションがもたらされるのです。

 

◆血液が滞ると体の「治る力」が衰える:整膚で血流促進

皆さんは、病気や怪我をしたとき、何が体を元どおりに治してくれると思うでしょうか。体を治すのは、医師でも薬でもなく、みずからに備わった「治るカ」、すなわち免疲カ(病気から体を守るカ)に他なりません。実際{に、病気の95%は、この「治るカ」によって回復すると考えられているのです。そして、この素晴らしいカは、誰にも例外なく備わっています。体の治るカが高まれば病気は早く治り、病気にかかりにくくなります,反対に、治る力が弱ければ病気が長引き、なかなかよくなりません。では、治るカを強めるには一体どうすればよいのでしょうか。私たち一人ひとりに備わる「治るスイッチ」をオンにするには、何よりも全身の血流を促すことが最重要です。

人間が健康であるためには、血液が全身の隅々までスムーズに循環している必要があります。人体を構成する60兆個もの細胞は、血液によって運ばれる新鮮な酸素や栄養を得て初めて活発に働くことができるからです。加えて血液は、細胞から二酸化炭素や老廃物を回収して、静脈を通って再び心臓に戻ります,この血液の流れが滞ってしまう(汚血という)と、一つひとつの細胞.が徐々に衰えて、体の治るカが弱まってしまうのです。

整膚とは、人体で最大の臓器である「皮膚」を、最高の治療器である「手指」で軽くつまむことで、

全身の血液を促す、新発想の健康法です。

人体の皮虜の大きさは畳一枚分にもなり、その下には毛細血管が無数に通っています。肌を軽くつまむ整膚は、毛細血管や神経を傷めずに、皮膚を引っ張るときの「陰圧カ」で毛細血管に血液が流れ込み、血流アップに役立ちます。すでに世界10ヵ国、250万人以上の人たちが整膚を体験しています。

 

◆整膚のメカニズムと5つの効果

皮膚を引っ張ることによって、次の5つの効果が期待できます。

1.皮膚がつやつやして、弾力性が生まれる

皮膚は抑えられると固くなります。足のかかとが硬くなるのはいつも押さえられて圧迫されているからです。皮膚を整膚すると、弾力性が戻って柔らかくなるとともに、皮膚も締まってきます。これは、しわ、たるみ、くすみ、二十顎(あご)の改善などの美容効果に大変期待できるものです。

 

2..心地よさ、癒しが生まれる

皮膚を引っ張るとセロトニン分泌が促進され、これが癒しの効果を高めるといわれています。リラックスすると血管の緊張も減少し、血流がよくなることで、免疫力も高まり、心地よさが生まれます。

 

3.気と血流とリンパの流れがよくなる

整膚によって気・血の流れがよくなると、リンパの流れがよくなり、むくみなどが改善されたり、病気の予防などに効果があると期待されます。

 

4.筋肉が柔らかくなる

皮膚を引っ張ると、皮下の状態が改善されて、筋肉が柔らかくなります。皮膚が柔らかくなることは体にとって良い状態になったと考えられます。

特に、続けて行うことにより、肩こりなどが再発しにくい筋肉への変化が期待されます。

 

5.自分自身が健康になる

自分自身に整膚を取り入れた生活をすると、健康を維持でき、頑張れるようになります。他者への整膚を心を込めて行うと、自身の脳も活性化されて、自分の体にも癒し効果が生まれます。体を動かすことにもなりますので、筋力がつくことになり、これも健康増進の一つの方法となります。

 

◆身体も心もさらにげん氣になる

整膚は、毛細血管や骨などにダメージを与えない安全な健康法です。体にエネルギーが入ってきて、気持ちが前向きになって、体も心もさらにげん氣になります。実際に体験し方々から「体が軽くなった」の声と併せて、「やる氣が出てきた」という感想をよく聞きます。リラックスして全身の流れを良くすることで、人間本来に備わった力が呼び起こされるのでしょう。医師や看護師、鍼灸師など医療の専門家からも注目され、研究されています。

体と心のバランスを保つことはとても大切です。ストレスの多いこの時代に、自分でできる「セルフ整膚」もあります。朝夕5分ずつでも、自分自身に整膚をすれば、美容・痩身・病気の予防と健康維持に効果的です。

 

◆「肌つまみ」しながら、志楽の湯に浸かりましょう

自分自身にも施術を行るという整膚を志楽の湯

に入って行ってみてください。塩化物イオンやナト

リウムイオンなどの成分濃度が高い志楽の湯の源

泉に浸かり、血行も良くリラックスした状態で、ゆっ

くり時間をかけて、ご自身で整膚をしてみましょう。

温泉との相乗効果で、美容と健康の効果はさらにアップするはずです。

病気の予防と改善に期待される効果

・肩・腰・膝痛の緩和

・更年期症候群の改善と予防

・眼精疲労・耳鳴りの改善と予防

・スポーツ障害の予防

美容と痩身に期待される効果

・小顔、二重あごの改善

・シワ・シミの予防と改善

・部分痩せ、足のむくみの改善

 

 

志楽ニューズレター 第二十一号 2016年12月1日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

地球の恵み、温泉は”いい友だち”

2018年8月7日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十二号

地球の恵み、温泉は”いい友だち”

講演抄録「温泉の本当の良き、魅力とは」

 

志楽の湯創立五周年感謝企画の一環として、志楽健康セミナーが417日(土)午後2時より川崎生涯研修センターにて、講師に温泉評論家の石川理夫みちお氏をお迎えして開催されました。温泉の現状、温泉の大切な要素や温泉文化などについて幅広く語っていただきましたので、その概要を紹介します。

石川理夫(いしかわみちお)
1947年仙台市生まれ。東京大学法学部卒。温泉評論家、温泉プランナー。日本温泉地域学会副会長。著書に「温泉で、なぜ人は気持ちよくなるのか」「温泉法則」「温泉巡礼」など多数。

 

◆日本は、温泉地数・源泉総数が世界一

日本には、現在、宿泊施設を伴う温泉地が3,133ヵ所、源泉総数が約2万8,000あります。温泉地の数は世界一で、二位の中国は約3,000、3位のトルコは474、4位アメリカは約400となっており、今のところ日本は世界の温泉大国といえます。

韓国、中国、台湾などの東アジア諸国は今、温泉開発ブームで、特に露天風呂ブームです。韓国は、湯治場から観光型・健康志向の大型温泉施設ラッシュにあり、1985年に21ヵ所だった温泉地が2000年には122ヵ所に増加しています。中国は、北京や広東省、大連近郊、山東半島など経済開発が進む地域で、レジャー志向の大型温泉施設や露天風呂ブームになっています。台湾では、1999年の台湾温泉観光年を契機に、温泉を楽しむ若者が増え、今日では120ヵ所の温泉地があります。

近年、九州を始め日本の温泉地を訪れるアジアからのお客様が増えてきていますが、それぞれ自国内で温泉地が増えていけば、集客の面で日本の温泉地は影響を受けるでしょう。従って、これからは今まで以上に日本らしさを出して、日本ならではの味わいをアピールすることが日本の温泉地に求められます。

また、日本のお客様の好みも、かつての大型観光温泉地から自然の環境豊かな秘湯志向へ、いい温泉、源泉を味わえる所に行きたいという本物志向に変わってきています。さらに、ミニ湯治やプチ湯治がブームになっていることから、温泉で健やかになりたいという健康志向が伺えます。これからのお客様の温泉の好みの変化にどう応えていけるかが、温泉地の今後の課題になります。

 

◆温泉は十湯十色、お気に入りの温泉に出会う楽しみを持とう

温泉法により定義される「温泉」とは、①温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上、または②別表(略)に掲げる19種類の物質のうちいずれか一つ以上が温泉水1kg中に規定の量以上が含まれていることの、どちらか一つを満たせばよいことになっています。

温泉の個性、持ち味を決める大切な四大要素についてお話します。成分、泉温、液性、湧出量の四つです。まず成分ですが、温泉に溶けている成分、いわゆるミネラル成分です。ほとんど無機物ですが、まれに有機物もあります。海藻などが腐植質となって、東京などで見かける黒湯の成分になっている例もあります。

泉温とは、温泉の温度ですが、その土地の年平均気温よりも著しく高い泉温を保って水が湧き出るわけですから、温泉は、やはり普通ではない、自然の恵みと考えるのが妥当だと思います。ただし、温泉は温かいものとは限りません。大分県の寒の地獄温泉は泉温13度という冷たさですが、立派な温泉です。温度よりもむしろ中身が大事なのです。

液性とは、いわゆるpH、酸性とかアルカリ性のことで、草津温泉に代表される酸性泉やアルカリ性単純泉など泉質名にも関係します。

湧出量は湧き出る温泉の湯量のことで、温泉のパワーともいえます。

これらを別の表現で言い換えれば、水分、温もり、ミネラル、エイジング(熟成)といったことになるのではないでしょうか。温泉はまさに地球の恵みといえます。私たち人間と同じ生きもので“十人十色”ならぬ“十湯十色”な存在です。温泉一般というのはないのです。温泉には皆個性があります。その持ち味を十分愛でてあげて、利用者はそれを味わい、楽しむことです。相性が合った温泉と出会い、キープすると、楽しめるでしょう。温泉に気持ちよく入り、いい影響を受ける。言わば、温泉はいい友だちと出会うのと同じことなのです。

 

◆温泉は五感全体で味わい、楽しもう。

温泉は「ふれる」「見る」「味わう」「かぐ」「聴く」の五感全体で味わい、楽しみたいものです。

「ふれる」というのは、源泉の肌触りを楽しむことです。文字通り自分の肌に合った温泉を選びましょう。

「見る」にはいろいろありますが、例えば温泉地や旅館のたたずまいや景観、浴室や浴槽の味わい、湯の色、湯の華などを見ることです。

「味わう」は、源泉を味わう、テイスティングですね。

飲泉できるところでは飲泉効果も期待できます。飲泉できないところでも、少し口に含んで舌で味わうことができます。

「かぐ」は、湯の香を楽しむことで、温泉のアロマテラピー効果が期待できます。

「聴く」は、温泉地の自然環境、風や川のせせらぎ、鳥のさえずりを聴いたり、湯口から注がれる湯音に心安らぐことができます。日頃人工的な音の洪水の中にいる場合は特に、自然の音にひたって感性をリセットするとよいでしょう。

 

◆なぜ、「湯上がりは美しくなる」の?

五感の中でも、とくに湯に「ふれる」ことが大切です。美肌効果が期待される美肌湯には、じっくりとふれましょう。ところで、なぜ、湯上りには「美しくなる」のか、その要因としては主に次のようなことが考えられます。

①転地効果で心身共にリラックス、解放感で表情がなごみ、いきいきする。

②新陳代謝が良くなって、疲れがとれる。

③全身の血行、顔の血色(明度)が良くなって、肌のくすみが改善する

④古い不要な角質を落とし、肌がすっきり艶やかになる。

⑤飲泉効果で胃腸の働きがよくなり、便秘が治る。
美肌効果が期待される泉質としては、まず古い角質を落とすアルカリ性の温泉が挙げられます。また、古い角質を柔らかくし、余分な皮脂など肌の汚れを落とす作用のある重曹泉(ナトリウム‐炭酸水素塩泉)や、硫酸イオンが肌のはりを保ち、石膏分が肌を柔軟になめらかにする石膏泉(カルシウム‐硫酸塩泉)や、不要な角質とメラニンを落とす作用のある硫黄泉などが挙げられます。
さらに、生理学的に肌を健康に保つ微量成分の働きも見逃せません。角質層の形成を促すカルシウムイオン、肌のバリア機能を改善するマグネシウムイオン、肌のかゆみを除き、肌荒れを改善する働きがあるシリカ(珪酸塩)などです。

 

◆温泉(地)は一番平和で安らげる場所

火山の多い日本列島に住む私たち日本人は、温泉とのかかわりが長く、その長い付き合いを通じて温泉文化を育んできましたが、温泉文化は時代による変化や海外の温泉文化と比較することも大事です。それぞれの温泉場の成り立ち、歴史からも温泉の本当の魅力、良さが見えてきます。例えば、日本では古くから裸混浴がむしろ当たり前だと思われ勝ちですが、実は江戸時代までは男女とも浴衣、次には湯ふんどしや腰巻着用で入浴や混浴していました。

もともと温泉地は湯治場から始まりました。その湯治場の共同湯が入浴の主な場で、その後宿に温泉を引湯して内湯ができていったのです。今でも古くから栄えた温泉地では、共同湯と温泉宿が共存しています。

湯治は日本だけでなくヨーロッパも同じでした。古今東西、温泉(地)に、人は敬虔な思いを抱いていました。日本でも欧米でも古くから神のいる神聖な場所として尊重し、温泉神と交信し、頼み事をしたり、願いや訴状を託したりしていました。また、アメリカ大陸では先住民が温泉場での戦や争いごとを禁じていましたし、ヨーロッパでは18世紀の七年戦争時の1759年には、ヨーロッパの4ヵ所の温泉地を「中立地帯」と宣言しました。さらに温泉は、人間だけではなく動物たちも平和に棲み分けて利用する大切な場所、一番平和で安らげる避難所(アジ―ル)だったのです。

温泉は、これからも心身をリラックスさせ、癒しを得ながら明日への活力をみなぎらせる場として愛されていくことでしょう。

 

 

 

志楽ニューズレター 第十二号 2010年5月20日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

療養泉で、生活習慣病を予防しよう

2018年8月7日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十三号

療養泉で、生活習慣病を予防しよう

講演抄録「温泉と健康」Vol.1 -温泉の効用と効果的な入り方

 

昨年12月3日(金)午後2時より川崎生涯研修センターにて、志楽健康セミナーが開催されました。講師に健康保養地医学研究所の阿岸祐幸氏をお迎えし、温泉の効用、温泉の効果的な入り方、温泉療法などについて幅広く語っていただきました。

 

その概要を2回に分けて紹介します。1回目の今回は「温泉の効用と効果的な入り方」です。

阿岸祐幸(あぎし ゆうこう)

1931年札幌市生まれ。北海道大学大学院医学研究科修了。健康保養地医学研究所所長。北海道大学名誉教授。医学博士。著書に「温泉と健康」「気候療法入門-山歩きにはちょっと冷たい刺激」など多数。

 

◆多岐にわたる療養泉の効能

 温泉とは、地中から湧き出る水、水蒸気、炭酸ガス、ラドンなどで、①泉源での温度が摂氏25度以上あるか、②鉄とか炭酸ガスなど特定の19種類の物質のどれか一つでも規定の量以上含まれているか、いずれかの条件を一つでも満たすことと、温泉法で定められています。さらに、温泉のうち、症状や病気に効果が期待できるものを「療養泉」といい、その主成分から9種類に分けられています(別表参照)。

例えば、志楽の湯の泉質はナトリウム塩化物泉、通称食塩泉ともいいますが、鉄分やヨウ素、メタケイ酸なども多く、とても特徴的な温泉です。

 

療養泉の生体作用と効能

●単純温泉

成分はいろいろあるが、塩分濃度が規定値以下と薄く、泉源の温度が25度以上の温泉。刺激が弱く、作用も穏やかで入りやすく万人向き。高齢者、病後の回復期の静養、手術や外傷後の療養などによい。飲泉は軽い胃腸炎によい。

●ナトリウム塩化物泉(通称・食塩泉)

皮膚に付いた食塩が体温の放散を妨げて、保温効果が長く続くので、「熱の湯」と言われている。食塩泉や海水は殺菌作用が強く、咽頭や上気道の炎症にうがいや吸入が効果的。アトピー性皮膚炎によく合併する皮膚感染症に効果がある。関節痛、筋肉痛などにも効果的。飲むと、胃酸の分泌を整え、腸の運動を活発にするので「胃腸の湯」とも言われる。

●炭酸水素塩泉(ナトリウム炭酸水素塩泉は通称・重曹泉、アルカリ泉)

重曹は皮膚表面の脂肪や分泌物を乳化して軟らかくし、肌を滑らかにするので、「美人(肌)の湯」と言われる。浴後に皮膚表面からの水分発散が盛んになって、体温放散が強まり、清涼感、爽快感があり、「冷えの湯」とも言われる。浴用の適応は外傷、皮膚病、リウマチ性疾患など。

飲用すると、胃酸を中和し、発生した炭酸ガスは粘液を溶かし、胃の運動を促進する。胆汁の分泌を促し、肝臓、すい臓の働きを助けるので、ドイツでは「肝臓の湯」として、胆石、慢性胆嚢炎、糖尿病、通風に用いられる。

●硫酸塩泉

ナトリウム硫酸塩泉(ほう硝泉)、カルシウム硫酸磯泉(石膏泉)、マグネシウム硫酸塩泉(正苦味泉)、アルミニウム(明礬泉)があるが、いずれも保温効果が強く、末梢血管を拡張し、血圧を下げる作用もある。

●二酸化炭素泉(炭酸泉)

炭酸ガスの小気泡が肌につく泡が特徴的。末梢血管拡張と血流増加作用が強く、炭酸ガスの濃度が高いほど強くなることが確かめられている。心臓に負担をかけずに血液循環を促進し、「心臓の湯」とも言われる。飲用で胃腸の働きを促す。

●硫黄泉

末梢血管拡張作用が強く、動脈硬化症、高血圧症、慢性皮膚病、皮膚角化症に適する。硫化水素ガスは痰を切るので、慢性気管支炎、気管支拡張症に良い。乾燥肌の人には向かない。

●酸性泉

強い刺激作用がある。抗菌作用を利用して皮膚感染症に適する。皮膚のただれ、湯あたりを起こしやすい。

●放射能泉

鎮痛効果があり、末梢循環を促進する。飲用で利尿作用があり、通風、高尿酸血症、慢性尿路感染症などに適する。

 

◆全身浴でも安心な寝浴がお勧め

日本人の多くは、入浴する時、あまり動いたりせず、じっとして、かがんで首まで浸かり、手足を伸ばしたり、膝をまげたりするのが基本姿勢のようです。立位で首まで浸かると、560kgくらいの水圧がかかります。これにより、心臓や血管系に大きな影響を及ぼします。そこで、高血圧や心臓疾患が進んでいる人は半身浴がよいとされています。

とはいっても、温泉や薬湯に浸かるときは、誰もが首まで浸かりたいと思いますし、できるだけ、皮膚の表面積が広く浸かった方が効果的です。おへその下までだと50%。首までつかると85%。せっかく温泉や薬湯に入るときは、できるだけ全身浴した方が有益なのです。

そこで、お勧めなのが寝浴です。水圧がかからないようにするには浅くすれよいわけですから、寝そべるような姿勢で入浴するのです。これならば、心臓に負担をかけずに全身浴ができます。全身浴の寝浴で脳波や筋肉もリラックスします。居心地のよい人間工学的に考えられた浴槽があれば、なおさらです。

もっとも、どこにも異常がない健康な人は、半身浴にこだわる必要はありません。むしろ、出たり入ったりすることで、血液の流れ、すなわち心臓の自律神経系のトレーニングにもなるので、全身浴の方が好ましいと思います。また、長時間入浴していると、おしっこがしたくなります。これは、心臓の中の余分な水分を体外に出そうとする働きによるもので。水浴性利尿といいます。これも、腎臓の機能が正常ならば、水分を排出するいいトレーニングになるのです。

 

◆42度以上の高温浴は避けよう

入浴で一番気をつけなければならないのは温度です。もともと加齢により温度に対する感受性は下がってきます。同じ熱さの風呂に浸かっても、年をとると熱く感じなくなります。これがトラブルのもとになるのです。熱く感じないのに、身体の内部は交感神経系が非常に興奮して、血圧が急に上がり、新陳代謝が活発になります。不整脈が出たり、いろいろな悪影響が出てきます。特に42度以上の高温浴は危険です。

熱い風呂に全身浴で浸かっていると、次第に慣れてきますが、立ち上がったとたん急に血流が下半身の方に下がって脳貧血を起こしてしまいます。脱衣室が寒いと再び血圧がうんと上がります。この温度差も要注意です。

また、高温だと汗が多量に出ます。すると血管の中の水分が少なくなり、血液が粘っこくなり、サラサラでなくなります。42度以上になると、血栓ができやすく、脳や心臓に梗塞が起きやすくなるのです。

お風呂で亡くなる人の数は、42度以上で急に増加します。11月~12月、1月~2月の冬季に多くなります。65歳以上は、交通事故よりもお風呂で亡くなる方が多いほどです。

また、サウナの後に冷水に入るのも身体には良くありません。血管が拡がって汗が出て温まった後に冷たい水に入ると、水圧がかかるのと寒冷刺激によってダブル・トリプルで血管系・特に心臓系・腎機能、交感神経系に悪影響を与えます。特に高齢者には最悪です。

40~45度の低温サウナでも湿度が100%だと、余り強くない刺激で汗は十分出ます。高齢者や女性にとって、サウナとして望ましいのは45度前後くらいの湿式サウナです。これが一番安全だといえるでしょう。さらにメントールやローズマリーなどアロマを加えることによってリラックス効果も出ます。

どうしてもさっぱり感を味わいたければ、サウナ後に28~30度のシャワーを浴びるだけでもよいのです。シャワーをかけながら足首、ひざから下くらいを冷たい水に入れれば、水圧が全身にあまりかからないので、心臓や交感神経系にあまり無理をかけずに、汗を止めることができます。

 

◆入浴前と後の水分補給が不可欠

運動・食事・飲酒の直後の入浴は避け、できるだけ、42度以上は避けて37~41度のぬるい湯に入りましょう。浴室とお湯の温度の差を少なくし、浴槽に入る前にあらかじめ掛け湯をして血管を広げておくのが大事です。そして、滑って転倒などしないように、「這うように入り、這うように出る」ことを心掛けましょう。

 また、入浴中は1時間あたり400~600ccの発汗量があるので、入浴の前後に十分な水分補給をすることが不可欠です。前に200~300、出てから300~400の水分を摂りましょう。できればスポーツドリンクや新鮮なみかんなど柑橘類のジュースなどがよいでしょう。

 あまり長湯はせず、お風呂に浸かっている入浴時間は延べ10~20分を目処にしましょう。ただ、時間については個人差がありますから、そのときの体調によって、どれくらいの時間が自分自身にとって安全でリラックス度が高い入浴時間なのかを体験的に憶えておけばよいと思います。

(次号に続く)

 

 

志楽ニューズレター 第十三号 2011年2月5日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

中長期滞在型の温泉療法を本格化しょう!

2018年8月7日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十四号

中長期滞在型の温泉療法を本格化しよう!

講演抄録「温泉と健康」Vol.2 ー温泉療法

 

 

◆入浴だけではない温泉の活用方法

日本の温泉場では、お風呂に浸かることしか提供しないところが多いのですが、入浴以外にも吸入、洗浄、飲泉などにも素晴らしい効果があるのです。

志楽の湯のような食塩泉を例にとると、まず吸入することで、鼻の通りがよくなり繊毛運動が活発になるので、副鼻腔炎に効果があります。ミストにして吸うと、肺の奥まで行き渡るので、痰が切れたりして一層効果的です。さらにうがいをすると食塩泉の殺菌作用により、喉や気道の炎症を和らげる効果があります。また飲泉すると、胃酸の分泌を整え、腸の運動を活発にすることから「胃腸の湯」とも言われるほどです。

 お湯に浸かると浮力が生じます。首まで浸かる全身浴では、体重が空気中の9分の1から10分の1ほどになります。この浮力を利用して、身体のために良いことがいろいろできるのです。ただ浮いているだけでも、かなりリラックスできます。歩くとさらに良いのです。水中で歩くと抵抗があり、エネルギーをたくさん使うので、よい運動になります。

空気中で運動するよりも水中で運動する方が安定してできるうえ、筋肉や関節なども柔らかくなります。20分ぐらい水中を歩くと、椎間板のやわらかい組織がふやけてくるので、身長が0.5~1cmくらい伸びることもあるほどです。腰痛や高齢者の介護予防、リハビリにとても良いのですが、日本の温泉病院では、

こうしたノウハウをほとんど持っていないのが残念

です。メタボ対策としても、歩行浴ができるようなところが望まれますが、日本の温泉場では、なかなか見られません。ヨーロッパでは普通なのですが。

また、積極的に身体を動かせない場合は、ジャグジーバスでバイブレーションや泡などの刺激によるマッサージを身体に与えましょう。音熱効果がますます上がり、体温がさらに上がります。免疫力が強まり、眠りが深くなります。海水のような濃度の濃い温泉で動水圧をかけると一層効果的です。

さらに、リラックスする、ストレスが和らぐ、などの効果が脳波にあらわれます。ある老人福祉施設で、お年寄りに動水圧付きの温泉浴を1日1回20分ずつ、2週間続けてもらったところ、初期のアルツハイマー傾向の脳波が正常になったという実験データもあるほどです。

こうした温泉療法で、将来、軽度の認知症予防が可能になるのではと、期待を寄せているところです。介護施設などで、アルツハイマー症状の進行を留めることに役立てることができるかも知れません。

 

◆中長期滞在型の温泉保養地を拡げよう

温泉を有効に利用し、その癒し効果と共に食事や、運動と組み合わせて、楽しみながら上手に行うのが、広い意味での温泉療法といえます。

ヨーロッパでは古くから、大体3週間程度、温泉場に中長期滞在して温泉療法を行う習慣が定着しています。こうした中長期滞在型の温泉保養地を、ヨーロッパでは温泉型のヘルスリゾートと言います。

積極的な健康づくりには、休養と運動と栄養が大切です。宿泊施設があって、この3つをバランスよく同時にできるのがヘルスリゾート、健康保養地です。そして、このヘルスリゾートで実際に行うのがヘルスリゾートメディスン、健康保養地療法と言います。この中で一番中核になるのが温泉です。一般に言われる温泉療法とは、天然ガスや泥も含めて広い意味での温泉と、温泉地の気候、海、山、高原といった土地の風土を利用して病気の治療、リハビリ、健康づくりを行う自然療法を言います。ヨーロッパではあたりまえですが、日本ではまだモデルがありません。

休養の極致は露天風呂です。川のせせらぎ、森からのフィトンチッドの香りなど、効用がいろいろあります。その点、露天風呂に恵まれている日本は最高のメリット持っていると言えます。

 

◆温泉地に水中運動を取り入れよう

どこの温泉地に行ってもなかなか運動する所がないのですが、基本は温泉プールで水中運動することです。スポーツジムに比べて、お湯の中だとリラックッスできて、大勢の人々が楽しく運動できます。これからの介護予防では、転倒防止が特に大切になります。そのためには、お湯の中で水中運動をするのが一番です。筋力アップになり、濃度の濃い温泉だと一層効果が出てきます。骨粗しょう症なども、温泉を」楽しみつつ、外に出て陽に当って海水浴や森林浴することによって、ビタミンDの合成を促し、しかも歩くのがよい運動になって、ずいぶん改善されます。

ヘルスリゾートメディスンは、現代的な治療法の中に、統合、代替、伝統療法を取り入れたものです。なるべく薬を使わない自然療法として、温泉があったり、森林浴があったり、海があったり、気候療法があるのです。アロマセラピーとして薬草や植物も積極的に使います。また、気功や漢方なども使います。こうしたことが総合的にできる場所が必要になります。

例えば、温泉保養公園、コミュニティセンターを兼ねたクアハウス、サウナ、医者が常駐して治療、リハビリなどを行う所、温泉の特徴によってはサナトリウムやリハビリセンター、リウマチ専門の病院、飲泉場などもあります。これらが一つの単位となって、いわゆる温泉保養地、ヘルスリゾートと呼ぶのです。ドイツなどでは、こういうものが揃わなければ温泉地とはいわないほどです。これらは最低限なければならないもので、5年に1回行政のチェックが入ります。

これからの日本の温泉地は、自然を大切にするのはもちろんのこと、健康づくり、介護予防に水中運動を積極的に取り入れることが望まれます。お年寄りになると家から出たがらない人が多くなりますが、シャトルバスなどで温泉場に連れ出し、交流の場にするのです。そしてプールで水中運動をする。いやならお風呂に浸かるだけでもよいでしょう。そして、自治体が保健師などとタイアップして健康診断だとか健康相談や指導をするのです。つまり、病院、デイケアセンターや介護施設と温泉を結びつけるわけです。

 

◆糖尿病やうつなどにも効果的

私は、内科、糖尿病が専門ですが、なるべく薬を使わないで、規則正しい生活と食事療法に加え、温泉や山登り、森林浴や海岸を歩くなどを最低4週間~6週間続けると、血糖値の改善効果が現れてきます。

また、ストレス関連性疾患、心身の疲れ、軽いうつなどは、温泉に入るだけでも治るほどです。特に食塩泉、炭酸泉、硫化水素泉などは、早く疲れをとる効果があります。長期滞在型の温泉療法は、うつや少し症状の進んだストレス関連性疾患にちょうどいいのです。ただし、海辺で単調な波の音を聞いていたり、あまりにも静かな所でぼーとしていると、かえって沈み込んでしまう場合もあり、うつの症状が強くなってしまうおそれがあるので、注意が必要です。

そうした症状の場合は、標高1,000メートルを越えるくらいの高原にある温泉にいくと、ほどよい寒さや気圧の刺激が自立神経系にマイルドな刺激となって回復に向います。こうした心療内科的なアプローチもかなり行われています。さらに、森から発散される物質が心身に非常によいので、森林浴と組み合わせると一層効果的です。そして、疲れたら温泉に入ってじっくり温まる、それを繰り返し続けるとよいのです。

温泉療法を普及していくためにも、温泉場に中長期滞在しても飽きないように工夫することが望まれます。これがひいては、ヘルスツーリズムやエコツーリズムなど国際的な面での保養地を目指す、というようなふうになればよいと思います。

 

志楽ニューズレター 第十四号 2011年3月5日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

ホタルは希望と勇気の光を放つ!

2018年8月3日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十五号

ホタルは希望と勇気の光を放つ

ーまず、ヘイケボタルが飛び立ちましたー

 

◆5月下旬に成虫が誕生しました。

「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ蛍の多く飛びちがいたる。・・・」清少納言の「枕草子」の一節にも記述されているように、夏の夜に見られるホタルは古来よりも多くの人に愛されてきました

志楽の湯でも、縄文時代の自然に戻るためにホタルを飛ばそうと考えました。夏の風物詩として、露天風呂にホタルが舞う光景を期待して、幼虫から育てることにしました。

ホタルを幼虫から飼育することはさほど難しくないといわれていますが、初めての体験ですので、地元の矢向小学校で長年ホタルの飼育を指導されてこられた市川保夫さんにアドバイザーをお願いすることにしました。

昨年12月に、ホタルの幼虫のエサとなるカワニナを業者から取り寄せ、志楽の湯の露天風呂の小川のせせらぎに少し多めに撒きました。

 年が明けて今年の2月、カワニナの生育を確認した後、市川さんからヘイケボタルの幼虫を大量に分けてもらい、

小川のせせらぎに放流しました。同時に川崎生涯研修センターの水槽でも飼育することにしました。ヘイケホタルは水田や用水路など人間の身近な環境に生息し、日本ではゲンジボタルとともに普通に見られたものですが、自然環境汚染などで今ではなかなか見られなくなっています。ただ、ゲンジボタルよりも水の汚れに強いといわれています。

 

◆幼虫からサナギ、成虫へと成長

ホタルの幼虫は、初め水の中で生活しますが、4月頃になるとサナギになるために陸地に上がります。そこで、

4月初めに、ホタルが生育しやすくなるように小川のせせらぎの岸に盛り土を施し、セキショウを植えました(セキショウは菖蒲に似た常緑多年草です)。その葉っぱは、羽化した成虫の休息場所にもなります。

4月7日(土)には、川崎生涯研修センターにて、ホタル博士と呼ばれホタル研究の第一人者である大場信義さんをお招きして、「ホタルの育て方と楽しみ方」というテーマで講演をしていただきました。ホタルが棲む環境や、生物多様性保全へのアプローチなどへについてわかりやすく解説され、参加された方々はホタルの生態やその生育環境などに対する理解を深めました。

さて、上陸期が近づいた幼虫は夜になると発光し、陸地に這い上がろうとします。そして、上陸した幼虫は、草の根元付近の柔らかい土を探して、ゆっくり体を隠していきます。地中では、体を回転させながら粘液を出して周りの土を固めます。いわゆる土まゆづくりです。この作業を終えると、あとはじっとさなぎになる日を待ちます。

上陸しておよそ1ヵ月でさなぎになります。さなぎももちろん発光します。ただ成虫のように明滅はしません。土の中で青白く光るさなぎの光は、ホタル」の一生のうちで最も美しいと言われます。

さなぎになってから、約10日間で羽化して成虫になります。幼虫が上陸してから羽化まで40~50日間です。成虫は、しばらく土まゆの中で休み、その間に羽は黒く硬くなります。そして3~4日後の夜、地上に這い

出してきて大空へ飛び立ちます。

 

◆今後は、ホタルの自生を期待

志楽のホタルは、5月下旬に成虫になりました。5月25日(金)夜、露天風呂で暗闇の中を舞う複数の小さな光が目撃されました。また川崎生涯研修センターの水槽で飼育していたホタルたちも成虫に羽化し、光を放つようになったので、水槽を志楽の湯の渡り廊下に移し、誰でも観察できるようにしました。成虫出現時期は通常6月中旬から8月までの間ですが、今年は気温が高い日が続いたためか、早めの出現となりました。

成虫は体長10mmほどの大きさですが、夜薄暗くなると元気に光を放っています。成虫は何も補食せず水分の補給だけで1週間全力で発光し続け、交尾と産卵を終えると、天寿を全うします。

関東でホタルの光を見ながら温泉に入れるのは、おそらくここだけではないかと思います。そして来年、ゲンジボタルも舞う光景を見られることを期待しています。

また、蓼科にある八ヶ岳縄文天然温泉「尖石の湯」にも将来は小川のせせらぎを創り、ホタルが飛べる環境になればと思っています。

 

★ヘイケボタルとゲンジボタル

ホタルは、昆虫のなかまで甲虫類に属しています。

日本には約50種類、世界では約2000種が知られています。一般にホタルというと水辺のイメージがありますが、実際には幼虫が水の中で暮らすホタルは日本ではヘイケボタル、ゲンジボタルなど3種ほどで、他は陸生です。

ヘイケボタルは体長8mm前後で、ゲンジボタルより小さく、主にな用水路で生息します。幼虫はカワニナだけでなくモノアラガイタニシなど様々な淡水生巻貝類を幅広く捕食し、やや富栄養化した環境にも適応します。また時には、干上がる水田のような環境でも、泥に潜って生き延びます。

ゲンジボタルは体長15mm前後で、日本産ホタル類では大型種。成虫の前胸部中央には十字架形の黒い模様があります。幼虫はきれいなの中流域に棲み、カワニナを捕食します。

 

 

 

志楽ニューズレター 第十五号 2012年6月1日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

今なぜ、矢向に化石海水か

2018年8月3日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十六号

今なぜ、矢向に化石海水か

都会に縄文の森とほっとする空間を

-かわさきFMのトーク番組で「志楽の湯」を語る-

 

昨年12月26日(木)に放送された「かわさきFM」のトーク番組「新川崎*鹿島田ハッピータウン」に、グループダイナミックス研究所代表並びに志楽の湯代表の栁平 彬 ( さかん ) 代表が出演し、「志楽の湯」開業に至る経緯やその理念、特徴などについていろいろ語りました。今回は、その概要を紹介します。

(聞き手:かわさきFMパーソナリティー 庄司佳子さん)

◆工場跡地をどう生かすか、思い悩んで原点に戻った。

―「志楽の湯」は開業して8年になるそうですが、住宅街の真ん中に温泉を掘られたいきさつなどについてお伺いします。

 

栁平: 現在の「志楽の湯」の土地には、かつて「タカラ工業」という主に半導体のテストを行っていた工場がありました。その隣には、1981年に設置した川崎生涯研修センターという研修所があります。そこでは、企業の社員向けに様々な研修事業を行っています。AIA(Adventure In Attitudes:心のアドベンチャー)というプログラムを中心に、私たちが持っている潜在的な力をどうやって活かすか、内発的なやる氣を起こすトレーニングを続けてきたのです。今までやる氣というのはインセンティブ、すなわち地位や給与といったもので起こしていましたが、そうではなくて、本来自分自身が持っている潜在的な力をどうやって発揮していくか、そのために人生の目的や志こころざしのようなものをより明確にしていく、それをグループダイナミックスという方式で行います。グループダイナミックス方式とは、簡単にいえばグループによる相互啓発ですね。AIAでは全部で74のプロジェクトと900以上の質問がありますが、それをグループでディスカッションしていきながら、意識変革を起こしていくという研修を長年やってきているのです。
ところが、1990年代後半、タカラ工業の親会社がアジアシフトに転換したため、そのあおりを受けて、半導体テスト等の事業から撤退を余儀なくされたのです。当時川崎から相当数の中小企業が消えていったと思います。その後、跡地をどうしようか、1,500坪の工場跡地をどう活かしたらよいか、悩みました。
一方、研修事業の方も、この20年間は大変厳しい環境にありました。どの企業もリストラに忙しくて、人づくりの方に予算をさかなくなってしまったからです。とても研修施設を拡張するような余裕はありませんでした。悩んだときはどうしたらよいか、登山家などに聞くと、「道に迷ったときは元に戻れ」と言います。そこで、原点に戻ってみようということで、戻り過ぎかも知れませんが、一万年ほど前から続いた縄文時代まで戻ってみたのです。

 

◆日本人は、縄文的な発想で危機を切り抜けてきた。

―ずいぶんと大昔まで戻られたのですね。

 

栁平: マクロな話になりますが、現代文明は1517年の宗教改革から始まったと、ある私立大学の学長が言っていました。その現代文明を支えた特長として、民主主義、資本主義それも金融資本主義、科学技術の3つが挙げられます。ところが、この3つとも今壁にぶつかっています。だから、失われたこの20年の間、日本も閉塞状態に陥っているのです。便利さと効率を追求してきた人類がひとつの壁にぶつかっている難局をどうやって打開していくか、そこで、ひとつ“縄文”に戻ってみようと思い立ったのです。というのは、縄文の心とは、実は和の原点、日本のオリジンなのです。これが今でも生きているのです。今までの歴史を振り返っても、日本が危機に面したときは、たいてい縄文的な発想で切り抜けてきたといえるでしょう。

 

―縄文的な発想とは、どのようなものなのですか。

 

栁平: 一言でいえば、企業家的な発想のことを言います。それに対して、弥生的な発想というのは官僚主義に近いものがあります。縄文的発想では、目標達成ではなく目標創造を重視します。5,000年ほど前の縄文中期の土器で初めて日本人の独創力が発揮されたと岡本太郎氏が言っていました。今、企業の中では、目標達成のノルマに追われて社員は大変です。心身すり減らすばかりで、やる氣が起きない。新しい目標を創造していくには、頭の使い方を変える必要があるのですが、残念なことに、自分で目標を作り上げていく力が日本人の心の中から失われているのです。
それを、もう一度蘇生させていく、そういう場として研修センターがあるのですが、研修というものは頭を使うので、精神的にも結構疲れるものです。その疲れを癒し、げん氣を出してもらうには、日本人が大好きな温泉が一番なのではないかと考えて、温泉施設を造ろうとした次第です。

 

◆和の原点、縄文の心を形にする。

―そして、期待どおり温泉が出たわけですね。

 

栁平: 地下1,300メートル掘って、数十万年前に地中に閉じ込められていた海水にまわりの岩や石のミネラルや草木の成分が溶け込んでできた化石海水のお湯が湧き出たのです。

 

―縄文時代には、「縄文海進」といって、今より内陸部まで海岸線が寄せてきていたので、このあたりは海だったわけですね。

 

栁平: 縄文後期頃から徐々に現在の海岸線に近づいてきて、陸地からやがて森になったと考えられれます。
温泉施設を造るにあたり、ここもかつては縄文の森だったはずだと思い、まず縄文の森の設計図を作成しました。そして、縄文の心をどう表現するかということで、八ヶ岳山麓から安山岩を230トン運んできました。5千年前、八ヶ岳の南麓には日本の総人口の15~20%が住んでいましたから、八ヶ岳山麓の南面はまさしく縄文の郷なのです。
また、九州の飛竜野山頂からコナラを中心とした自然木を持ってきて植えました。コナラというのは、木肌が非常に男性的でダイナミックな感じがしますが、葉っぱは女性的でやさしい。コナラの他にもいろいろな常緑樹、広葉樹、高木、低木を織り交ぜて、全体で800本くらいあります。さらに、駐車場もアスファルトではなく、ウッドチップを敷いています。地球を封じ込めるのはやめて、地球が呼吸できるようにしようと思ったからです。

 

―環境にも配慮しているのですね。温泉の泉質はどのようなものですか。

 

栁平: 化石海水なので、塩化物イオンやナトリウムイオンなどの成分の濃度が高く、身体の芯までよくあたたまります。おかげでぐっすり眠れて、夜中に起きないですむという感想が多くのお客様から寄せられます。また、化石海水は現在の海水より人工的な汚染が少ないので、目にかけても痛くありません。目にかけるとすっきりするというお客様の声もよく聞きます。

 

―露天風呂にも特徴があるそうですね。

 

栁平: 黒川温泉の後藤哲也さんが「石は見せるものではない。そこからエネルギーが出ているのだから、下に敷こう」と言われたので、各々の石全体の3分の1くらいを地表に出して、残りは地中に埋めました。普通は、入浴されたお客様がつまづかないようにお風呂の底は平らになっていますが、私どもの場合は、露天風呂に入っていくと、中にも石があって、皆さんかなり驚かれます。でも、そういう驚きを感じながら入っていってほしいのです。昔、縄文時代には、木を掻き分けて森の中に入っていき、温泉に入っていったことでしょう。今は、驚きや感動がなくなってしまった気がします。なので、そういう部分を露天風呂の中に残したかったのです。
それから、八ヶ岳山麓の地域には古くから御柱というお祭りがありまして、その御柱に見立てた柱を内風呂の中に立てて、縄文的な雰囲気を醸し出しています。また、洗場の横の内湯に行くまでの道には、縄文模様を表現するために縄を使って模様をつけて、足の裏を刺激できるようにしています。これを「縄文道」と名付けています。

 

◆昭和の雰囲気を残した矢向の街を世界の人が訪れてほしい。

―川崎は、今大きく変わろうとしています。志楽の湯がある矢向の街が、これからどんな街になってほしいと思われますか。

 

栁平: 羽田空港が再び国際空港として発展するのに伴い、その周辺地域を国家戦略特区にしようという構想が昨年8月に発表されましたね。その構想が実現すれば、大きな波及効果が期待できるので、川崎地区も大いに発展していくものと思われます。羽田から川崎・矢向まで混んでいなければタクシーで30分弱ですから、ぜひ外国のお客様にも大勢この地を訪れてほしいですね。そして、本当の日本の真髄とは何なのか、日本に縄文文化があったこと、和の原点、縄文の心を形にした「志楽の湯」を体験してほしいと思います。お互い裸になって語らい合うような温泉文化を、地域と世界を連関させて広めていく相互啓発の場にしていきたいですね。
また、矢向の駅前に一本の楠ノ木があります。世界不況の中で昭和2年(1927)に植えられ、昭和20年(1945)の戦災で付近一帯は焼け野原になりましたが、その戦災から蘇った奇跡の一本です。そのせいか、あたりには昭和の雰囲気が感じられます。これからもその雰囲気は残っていてほしい。それを世界から来た人達にも観てもらい、都会の中にもこういうところがあるのだということを理解され、楽しんでほしいと思います。

 

 

 

 

志楽ニューズレター 第十六号 2014年2月5日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

 

 

福沢諭吉はお風呂屋(銭湯)を経営していた!

2018年8月3日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十七号

福沢諭吉はお風呂屋(銭湯)を経営していた!

尖石の湯の近くに福沢家のルーツがあった。

 

1.福沢諭吉と風呂ビジネス

一万円札の顔にもなっている明治の偉人、福沢諭吉が、明治時代の初期にお風呂屋(銭湯)を経営していたことは、あまり知られていません。

 

「公衆浴場史」(全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会、1972年)によると、明治八、九年頃に福沢は、慶応義塾の向かい、(東京港区)三田通りにあった湯屋を譲り受ける形でオーナーになったとのことです。一ヵ月、十円五十銭の揚銭(家賃)でお風呂屋に貸していたそうで、福沢本人が番台に座ることはなかったようですが、近所の住民や慶応義塾の塾生、三田付近に住む下宿生をはじめ様々な人々が五厘で利用していたといわれています。

 

福沢は、自由平等論から職業に貴賎はないと説き、その垂範として自ら銭湯を経営したといわれています。そして、銭湯の入浴や経営の経験から、人々に自由平等を説明するために「私権論」という論文に、次のような一説を記しています。

 

「銭湯に入る者は、士族であろうが、平民であろうが、みんな等しく八文の湯銭を払い、身辺に一物なく丸裸である。また同じ湯槽にはいっているではないか。それなのに、どうしてか、平民は士族の人に旦那、旦那と尊敬してよび、士族は平民の人たちを貴様、貴様と軽蔑しても、平民はただただ恐縮しているのはなぜか。銭湯の入浴には、なんら上下の区別なく平等であり、かってにはいっても、出ても自由である。」

 

また、ある日、松永という学生が福沢に卒業後の進路について相談したところ、福沢はすぐさま「銭湯の経営をするがよい」と言ったそうです。この学生は、後に電力王といわれるほど日本の電力開発にとっても貢献した松永安左エ門でした。

 

実際には、松永は福沢の指示とは別に電力開発の道を突き進むのですが、考え方によっては、公衆浴場において、照明から給水、ろ過装置、気泡装置等に至るまで、電力を使用しないものはないので、銭湯経営に直接にはあたらなかったといっても、間接的には経営にあたったといえるかも知れません。

 

また、福沢は、入浴中に人に自分の子どものしつけ方について、次のように語っていました。「そのしつけかたは温和と活発とをむねとし、たいていのところまではこどもたちの自由にまかせる。たとえば、ふろの湯はあつくして無理に入れるようなこともせず、すえぶろのそばに大きな水おけをおき、こどもの勝手しだいにヌルクともあつくもさせる。まったく自由自在のようなれども、さればとて食物を勝手にまかせて、なん品でも食い放題にするというわけではない」(福翁自伝)。

明治中頃の三田通り

 

2.福沢諭吉の先祖は信州の出身だった。

福沢諭吉が明治6年(1873)東京三田の龍源寺に福沢家の墓地を新設した際に立てた記念之碑に「福澤氏の先祖は信州福澤の人なり。……」という記述があります。また、「福澤家系図」にも、「福澤氏其祖住信州福澤其間年月世次不詳或小笠原氏に仕と云」という書き出しの後、最初の人物について「高祖福澤積善、兵助と号す。妻、詳かならず。豊前中津下正路浦に住す。其の祖は小笠原氏に仕う。」と書かれています。

 

このことから、福沢諭吉の祖先は信州・長野県の福沢(地名)という土地の出身であり、甲斐・信濃の豪族で後に豊後の中津藩主となった小笠原氏に仕えていたらしいということがわかりました。

 

茅野市出身の俳人・小平雪人 ( せつじん ) (1872~1958)は郷土史家としても有名で、当時諏訪郡豊平村福澤の芋いも倉という所に善徳屋敷と呼ばれる住居跡があり(現在の茅野市中大塩)、ここに福沢氏の祖先である積善が住んでいたのではないかという説を発表しました。その場所(中大塩諏訪神社内)には、「福澤諭吉先祖之旧跡地」と刻まれた石碑が建っています。

石碑の裏面には「旧跡地の由来」として、上述のような文章が刻まれています。その中には「大正十五年福沢家ヨリ当地ノ豊平小学校へ福沢諭吉全集一〇巻が寄贈サレタ。」という一文があります。

 

ただ、福沢という地名は今までのところ、茅野市以外にも当時の諏訪郡長地村、諏訪郡上諏訪村、下伊那郡生田村、東築摩郡塩尻町、上伊那郡伊那村、上伊那郡東箕輪村、小県郡前山村、上水内郡富濃村、上高井郡仁礼村、更級郡村上村の十一箇所あることがわかっています。この十一ヵ所のうち、どこが本当の出身地なのか、諸説ありました。

 

最近の研究では、静岡県立大学の平山洋助教(慶應義塾福沢研究センター客員所員)が、その著「福沢諭吉先祖考」(常葉叢書[Kindle版]、2014)の中で「二十一 信州国福沢とはどこなのか~暫定的結論」として「…、消去法によってではあるが、福沢諭吉の先祖の出身地は、やはりこの茅野の福沢が最有力候補となる。」と述べています。

 

その場所は、現在の茅野市豊平の中大塩諏訪神社で、石碑が立っています。同じ豊平にある尖石(とがりいし)の湯から車で15分くらいの所にあります。(地図・写真参照)

 

[参考文献]
『公衆浴場史』(全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会、1972年)
『小平雪人』(小平雪人著・小平鼎編 甲陽書房 1976)
『信州と福沢諭吉』(丸山信著 東京図書出版会 2005)
『考証福沢諭吉 上』(富田正文著 岩波書店 1992)
『福沢諭吉先祖考』(平山洋著 常葉叢書[Kindle版]2014)
『地域は歴史で豊かになる 福澤諭吉の先祖の地、茅野市福沢』(藤森三男 長野日報 2010年12月15日号)

 

 

志楽ニューズレター 第十七号 2014年8月20日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

釈 由美子さんオススメの美肌の湯として登場

2018年8月3日 ニューズレター
志楽ニューズレター第十八号

釈 由美子さんオススメの美肌の湯として登場

日本テレビ「PON !」の中で、志楽の湯を紹介

 

「PON!」は、毎週月曜日から金曜日までの約1時間(10時25分~11時30分)の生放送番組です。その中のコーナー、「毎日が緊急企画!ちょっとおトーク」に、6月29日(月)は、女優の釈 ( しゃく ) 由美子さんがゲストとして登場して、釈さんオススメの美肌の湯として、縄文天然温泉・志楽の湯が紹介されました。

女性のむくみ対策としておススメ

「趣のある廊下を抜けたところにある大浴場。浴槽もユニークで、120年前に使われていた味噌樽のお風呂もあります。温泉は、地下1,300メートルから汲み上げた、数十万年前に閉じ込められた岩や草木のミネラルが溶け込んだ化石海水…」というナレーションに続いて、温泉ソムリエの資格を持ち、毎月3、4回は温泉に行くという釈さんが、志楽の湯のお気に入りのポイントとして「海水などのミネラルが凝縮した塩分濃度の高い高張性なんです。ミネラルがお肌に浸透して、デトックス効果が期待できます。特に女性におススメなのがむくみ対策ですね。足がパンパンに張っている時とか、夏にはむくみが取れて、すっきりします」と語っていました。

 

BSジャパン「空から日本を見てみよう+ ( プラス ) 」で蓼科を紹介

BSジャパン「空から日本を見てみよう+プラス」(2015721日(火)夜8時~)の蓼科方面の中で、現在、人参りんごジュース断食を行っている八ヶ岳尖とがり石の湯の隣に昨年10月に創った5000年前の縄文中期の小屋の前で、グループダイナミックス研究所の栁平彬さかんが縄文人の気質・特徴について語りました。しかし、短い時間の関係で、その主旨が十分に伝わりませんでしたので、補足説明させていただきます。

 

3つの主な縄文人の特徴から学ぶこと

1.発想に独創力(オリジナリティ)があること。その結果、失敗を恐れないチャレンジ精神を持っていました。岡本太郎は、日本においてただ一つすぐれた芸術性と日本のオリジナリティーのあるものは、縄文中期の日本人によって作られた縄文土器しかないと語っています。耕作も行っていましたが、狩猟採集民族だった縄文人は多様な能力を発揮していたため、独創力が育ったのではないでしょうか。

 

2.集団力学(グループダイナミックス)を活かしたリーダーシップとチームワーク、危機対応能力にすぐれていたこと。リーダーの選び方が適格性(eligibility)より適切性(suitability)を重視していました。家を作る人、イノシシを獲るのが上手な人や魚釣りの得意な人など、状況に応じて臨機応変にリーダーを変えていたようです。あいまいな状況下でも行動を起すことができる、いわゆる現代風にいえば企業家マインドがあったといえます。肩書きなどはなかったし、気にしなかったと思います。

 

3.自然との共生力が高かったこと。当時は、山と森がほとんどだったとはいえ、縄文人は自然を克服するという発想よりも、自然を生かしながら生活していました。現在も日本の66%は山で、緑と水の豊富な国土を持っています。自然の雑木林や小川のせせらぎ、海などをもっと大切にして、世界の人々が来てくれる観光立国としても生かしたいものです。

 

以上はごく簡単な説明ですが、なお、縄文文化については、かつて縄文人の気質や特徴について、日本で戦後最も古い女性のクラブである「なでしこ会」でより詳しく語ったことがあります。ご興味のある方は、その内容にアクセスできるようにいたしました。

[アクセス先のソース]
「WHY JOMON JIDAI, NOW―ETHOS of Japanese History-」(「今、なぜ縄文時代か一日本歴史の心髄-」)
平成10年4月2日、スイス大使館産業・科学担当参事官ジャン・マリー・レルさん宅で、駐日各国大使夫人・駐日外国企業代表夫人など200人をメンバーとするCLOSED-INFORMAL-VOLUNTARYな組織「なでしこ会」において、上記のテーマで6つの5000年前の縄文中期の土器を触ってもらいながら講演しました。内容は、日本人が失いかけている自信と勇気を取り戻すために、私たちは縄文時代から何を学ぶべきかをまとめたものです。その講演録(英語版・日本語版)は、グループダイナミックス研究所ホームページの「メッセージfrom GDI」に収録されていますので、以下にアクセスしてご覧いただければ幸いです。
http://www.gdi-attitudes.co.jp/modules/messagefromGDI/index.php?cat_id=5

 

志楽ニューズレター 第十八号 2014年8月15日発行

企画:グループダイナミックス研究所

発行所:志楽ダイナミックス

 

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